TMPGEnc Video Mastering Works 6による NVENC と H.265/HEVC エンコードテスト
2014/12/19に、Pegasysから、TMPGEnc Video Mastering Worksシリーズの最新バージョンとなる、
TMPGEnc Video Mastering Works 6
が発売開始されたので、早速性能テストをしてみた。
このソフトは質実剛健というか、基本に忠実な作りで、想定外のエラーに悩まされることもなく、細かな設定を行うことができるので、愛用している。
世の中には4Kテレビが徐々に出回り始めたが、現状ではメディアが伴っていないので、正直いまいちピンとこないと思う。
ただ、4K放送・ブルーレイの上位メディア・次世代ゲーム機などで4K映像が主流になってくると、4Kの映像を作るために、元画像として8Kの映像がでてくるという将来も遠くはないだろう。
今回のTMPGEncVMW6が8Kに対応できたのは、今まで32bitアプリケーションであったのが、ネイティブ64bitになったことが大きいのではないかと思う。
また、扱えるフォーマットにWebMとOggが増えた。WebMはまだなじみが少ないこともあるが、Youtubeの標準フォーマットであり、将来的にHTML5の標準フォーマットとして採用されればYoutube用の動画を依頼されることが多い方はWebMでの納品をするタイミングも増えてくるのではないだろうか。これについてはYoutube用のテンプレートもあるのでうれしいところだ。
OggもHTML5のcanvasなどでvideoを取り扱う際には、mp4、WebM、Oggの3種を用意することが、複数の環境に対応する上で必要とされているので、この3つのフォーマットが扱えるというのは大きな利点であると言える。
変わったところでは、アニメーションGIFの入力に対応というのがあるが、これは各種webサービスが動画をアニメーションGIFに変換して表示するサービスなどを実装してきたということもあるのだろうか。軽量かつ即時再生開始されるアニメーションGIFは動画のストリーミングよりもユーザーに優しいし、様々な点において有利な部分があると思う。
筆者は対応CPUを所持していないが、IntelⓇ Media SDK(Quick Sync Video)にH.264/AVCだけではなく、MPEG2出力も対応したのもうれしいところだろう。
画質にそれほどこだわらないがエンコードスピードがほしい、という場合にはNVENCがない人には最良の選択肢になると思われる。
ほかにもUIの改善や、フィルターの追加などがされている。
まだ十分に触れていないが、ざっと見た感じでも、タイムラプス、ジオラマ、ルビ付き字幕、タイムリマップなど、簡単に映像におもしろい効果を加えたいライトユーザーにもアピールができるフィルターとなっている。
タイムラインモードもAEやPRのようなアドビライクな形のタイムライン編集が可能になっているので、これまでのエンコーダー特化ソフトというよりは、映像編集ソフトにかなりシフトしてきたのではないだろうか。
しかし、アセット機能やマイクから音声をリアルタイムでタイムラインに追加できる機能などで既存のソフトウェアとの差別化もしっかりとなされている。
では、気になるエンコード性能についてみていくとしよう。
TMPGEnc Video Mastering Works 6
このソフトは質実剛健というか、基本に忠実な作りで、想定外のエラーに悩まされることもなく、細かな設定を行うことができるので、愛用している。
セールスポイント
今回はH.265/HEVCによる8K映像出力への対応がメインのセールスポイントとなっている。世の中には4Kテレビが徐々に出回り始めたが、現状ではメディアが伴っていないので、正直いまいちピンとこないと思う。
ただ、4K放送・ブルーレイの上位メディア・次世代ゲーム機などで4K映像が主流になってくると、4Kの映像を作るために、元画像として8Kの映像がでてくるという将来も遠くはないだろう。
今回のTMPGEncVMW6が8Kに対応できたのは、今まで32bitアプリケーションであったのが、ネイティブ64bitになったことが大きいのではないかと思う。
また、扱えるフォーマットにWebMとOggが増えた。WebMはまだなじみが少ないこともあるが、Youtubeの標準フォーマットであり、将来的にHTML5の標準フォーマットとして採用されればYoutube用の動画を依頼されることが多い方はWebMでの納品をするタイミングも増えてくるのではないだろうか。これについてはYoutube用のテンプレートもあるのでうれしいところだ。
OggもHTML5のcanvasなどでvideoを取り扱う際には、mp4、WebM、Oggの3種を用意することが、複数の環境に対応する上で必要とされているので、この3つのフォーマットが扱えるというのは大きな利点であると言える。
変わったところでは、アニメーションGIFの入力に対応というのがあるが、これは各種webサービスが動画をアニメーションGIFに変換して表示するサービスなどを実装してきたということもあるのだろうか。軽量かつ即時再生開始されるアニメーションGIFは動画のストリーミングよりもユーザーに優しいし、様々な点において有利な部分があると思う。
筆者は対応CPUを所持していないが、IntelⓇ Media SDK(Quick Sync Video)にH.264/AVCだけではなく、MPEG2出力も対応したのもうれしいところだろう。
画質にそれほどこだわらないがエンコードスピードがほしい、という場合にはNVENCがない人には最良の選択肢になると思われる。
ほかにもUIの改善や、フィルターの追加などがされている。
まだ十分に触れていないが、ざっと見た感じでも、タイムラプス、ジオラマ、ルビ付き字幕、タイムリマップなど、簡単に映像におもしろい効果を加えたいライトユーザーにもアピールができるフィルターとなっている。
タイムラインモードもAEやPRのようなアドビライクな形のタイムライン編集が可能になっているので、これまでのエンコーダー特化ソフトというよりは、映像編集ソフトにかなりシフトしてきたのではないだろうか。
しかし、アセット機能やマイクから音声をリアルタイムでタイムラインに追加できる機能などで既存のソフトウェアとの差別化もしっかりとなされている。
では、気になるエンコード性能についてみていくとしよう。
エンコード
個人的によく扱うアニメーションの映像をエンコードしてみることにした。
環境はWindows7pro 64bit、CPUはCore i7 975エクストリーム(3.33Ghz)、メモリ24GB、SSD500GB、グラフィックボードはQuadro K4000のリファレンスとなっています。
エンコードするファイルは、地デジ録画で取得した 1440*1080サイズ 5分39秒のTSファイルで、699MB。これを各種設定でmp4にしてみたいと思います。
1:H.264/AVC+x264
・設定はほぼデフォルト
・出力設定 mp4
・映像設定のストリーム形式 H.264/AVC
・映像エンコーダー x264
↓
エンコード時間 7分7秒
ファイルサイズ 276MB
画質 目視では損耗を確認できないレベル
2:H.264/AVC+NVENC
・設定はほぼデフォルト
・出力設定 mp4
・映像設定のストリーム形式 H.264/AVC
・映像エンコーダー NVENC
↓
エンコード時間 2分6秒
ファイルサイズ 296MB
画質 目視では損耗を確認できないレベル
3:H.265/HEVC
・設定はほぼデフォルト
・出力設定 mp4
・映像設定のストリーム形式 H.265/HEVC
↓
エンコード時間 20分30秒
ファイルサイズ 161MB
画質 目視では損耗を確認できないレベル
エンコード時間ではNVENCが驚きの2分6秒をたたき出した。
多くのフォーマットがエンコード時間>=再生時間であることが多いので、それを考えると半分以下というのは驚異的な数字である。
公式でもだいたい2~4倍の性能がでるといっているので、ほぼそのとおりの数値となった。
ただ、ファイルサイズは20MBほどNVENCの方が多かった。
ハードウェアエンコーダーは速度を重視するため、エンコードの仕方がソフトウェアエンコーダーよりもどうしても機械的になるので、そのあたりの結果がでたのだとおもう。
目視で確認しきれなかったので推測になるが、映像的にも、おそらくx264の方がすこし上なのではないだろうか。
H.265/HEVCはサポートするハードウェアがないためにソフトウェアエンコードになったが、エンコード時間は実時間のほぼ4倍という結果になった。
ただ、ファイルサイズは161MBと、さすがにダントツの圧縮率である。
画質も、筆者の目では損耗が確認できなかった。
これなら、いますぐにでもニコニコ動画あたりはHEVCに移行してほしいくらいです。
総評としては、すべて前評判通りか、それ以上という結果になった。
単純にいえば、速度重視ならH.264/AVC+NVENC、画質重視ならH.264/AVC+x264、ファイルサイズ重視ならH.265/HEVCという使い分けで問題なさそうです。
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